ネット上で簿記検定について検索すると次のような謳い文句で書かれている記事があります。
「○カ月で簿記検定2級に合格する方法」
「簿記素人が最短○○日で合格できる簿記勉強法」
この記事では、上記のような表現について考えたことを経験者目線から厳しい言葉を交えつつ、述べています。
簿記の勉強方法に楽な道はない!
まず、声を大にして伝えたいことがあります。
それは簿記を素人が独学で勉強する場合、決して楽ではないということです。
はき違えて捉えられたくないので言い換えます。
決して楽ではないけれど、無理ではないということです。
それなりの時間と労力をかけることで、きちんと合格することができます。
大学受験などでは「これだけやれば大丈夫!○日で仕上げる△△(科目名)」などのタイトルで参考書が販売されています。
「ホントかな~?」と半信半疑に購入してしまい、なかなか身に付かなかった記憶がともすけにはありますが…笑
他のブログ記事やウェブ広告だけでなく、書店では似たような書籍が複数存在します。
果たして、本当に合格できるような内容や勉強方法が載っているのでしょうか?
「最短○日で~」の表現で勉強時間はどのくらい?
「○週間で身に付く!」や「○ヶ月で完成!」などのタイトルの書籍を購入して取り組んだ場合、1日あたりどのくらい勉強すればいいのでしょうか?
例えば「1ヵ月で合格できる!」みたいな謳い文句の簿記教材があったとします。
これを簿記初心者が取り組んだとしましょう。
個人的な答えとして、1日に5時間以上勉強できる人であれば合格できると思います。
完全に資格取得に特化した予備校並みの勉強時間です。笑
しかし高校生や予備校生でない社会人が受験する場合は日常の仕事があり、日中の大半を勉強に費やすという手法は現実的ではありません。
この部分において、「最短○日で~」や「○週間で完成!」などの参考書は、誰もが通用するものではないということです。
素人でなければ可能性あり!
簿記検定に向けた「これだけやれば合格」とか「短期間で合格」とかいう謳い文句は、多くの簿記素人の方にとっては実現しえないフレーズだと感じます。
しかし、これはあくまで素人の方にとっては、です。
少し簿記をかじっていて…とか、社会人として実務的な経験があって…という人にとっては、あながち間違ったタイトルではないと思います。
素人さんでも検定試験では出題傾向を分析して受験に向けた対策で何とかなる部分もあります。
しかし、そもそも論として、素人の方が簿記検定を受験する場合、日常用いないものを新たに習得しなければいけません。
勘定科目群の名称や簡単な計算式、財務諸表などの仕組みなど日常ではあまり用いませんよね?
売掛金という言葉でさえ素人の方は使わないのに、貸し倒れの処理って何だ?となるわけです。
仕訳の基本事項を理解し、財務諸表などの応用問題や発展問題に対応させる…
やはり一から勉強を始める場合にはそれなりに勉強時間の確保が求められます。
「最短○日合格」は消費者にとって魔法の言葉
「最短○日で~」などの表現は、それなりの広告効果があります。
裏を返せば、それを見る受験生にとっては「カンタンに合格できる」「楽に合格できる」と錯覚しがちです。
たしかに覚え方などコツを掴むことも必要ですが…決して楽ではありません。
それこそ、大学受験を思い浮かべていただけるとわかりやすいでしょう。
現代文や化学、数学など常に高校で習っている教科・科目でさえ、「○日で完成!」などの表現がついていても「ホントかな~」と疑い深くなるものです。
それが簿記に関する知識がまったくない素人の方が独学で勉強しようとしたとき、まったく知らないからこそ、「最短○日で~」などの言葉はお手軽で簡単そうなイメージを持ち、魅力的に見えてしまいます。
しかし、そんなことはありません。
簿記だろうと、古典だろうと、化学だろうと…勉強すること自体に変わりありません。
もう一度、声を大にして言います!
素人の方が2週間~1ヵ月以内での合格は現実的に難しいです!
勉強では必要な知識を蓄積することができなければ当然合格できないので、履き違えないようにしましょう。
受験級が低ければ合格はできる…けど
簿記3級レベルであれば、範囲もそんなに広くないため、もしかしたら1ヶ月足らずで合格を掴み取る人もいるかもしれません。
しかし、簿記3級レベルはあくまで入門レベルであり、履歴書に記載しても威力としては不十分です。
3級合格を足がかりとして2級合格を目指すのであれば、やはり細かい部分までの理解が必要になります。
さらに1級を目指すとなれば、基本的な事項が身についていなければ全く合格には届きません。
自分が最終的にどのレベルに合格したいのかによって、日ごろの勉強スタイル(必ず1時間を毎日やる、週末に2時間は勉強する等)を考えていく必要が出てきます。
この記事が役立った!という方はクリック応援お願いします。